Debate: Topic and Outline
毎月行われているYYクラブのディスカッションの概要(英訳と日本語訳あり)
さて、昨年1月より本D項として取り上げるテーマは、「トランプ政権の特徴 および日本の外交政策への提言」として、日本を取り巻く世界情勢と日本の取るべき外交政策を取り上げて行きます。これは隔月(偶数月)に掲載する予定です。
内容項目は下記の目次に従って、述べて行きたいと考えます。
目次:「トランプ政権の特徴 および 日本の外交政策への提案」
1.はじめに
2.トランプ大統領の発想や言動の特徴
3.トランプ政権の特徴(体質)
3.1 ホワイト・ハウスの権力者の興亡
4.トランプ政権の政策運営とその特徴
4.1 国防費の増大と外交・援助経費の大幅削減
4.2 米国の国内問題
5.トランプ政権を生んだ背景とアメリカの構造的変化
5.1 米国民の意識変化(現・政権を生んだ背景)
5.2 トランプ政権への移行により外交政策はどのように変わるか
5.3 トランプ政権発足で、日米関係を支える人脈へ打撃
6. 日本との関係:
6.1 米国の対日・外交政策
6.2 新たな日本の外交政策・対米政策
7.世界のリーダーが不在の時、日本は世界に向かって何をなすべきか?
7.1 中国との問題解決
(1)中国は信頼できないか?
(2)東シナ海ガス田問題
(3)尖閣諸島の問題
7.2 ロシアとの北方領土問題
8. 新たな日本の針路
8.1 日本の心柱とは何か?
8.2 日本の心柱(外交姿勢)を支える日米同盟とアジアとの協力関係
9. 新たな日本のアジアとの外交政策:1本足打法から3本柱戦略へ(藪中案)
9.1 北朝鮮問題の解決
9.2 韓国との関係
(1)韓国の国民性
(2)韓国政府および国民の全体的意識
(3){日韓合意}が履行される可能性
(4)慰安婦、強制連行等:「被害者ビジネス」はなぜ横行するのか?
今月は9月号C項の続きです。韓国との関係を論じる場合、全体として論じるには前半の部分(9月号に記載した部分)を通じて論じる必要があるので前半は9月号から、後半(3)項部分を含めて述べさせていただきます。
9.2 韓国との関係
韓国との新大統領に対して二国間の関係は慰安婦問題が未だに持ち出され、再交渉を要求されており、韓国国民感情は微妙で日本としては静観するしかない。
この解決には、中国との関係改善を優先し、解決を図るべきである。その後、自然と韓国から合理的な反応(策)が出てくるであろう。ただし、日本は国際社会から疑問視されるような発言をしてはならない。当面忍耐である。
(1) 韓国の国民性について:呉善花著「反日韓国の苦悩」から。
前項で述べた意見は藪中氏の見解を基本に置いての意見である。
しかし、韓国民の反日思想は容易に解決されるとは思えない。
そのことについて、元韓国人(現、日本国籍)の呉氏の韓国人に対する見解を聞いててみよう。元韓国籍の彼女の見解を聞くのが、正解と思うからである。
(2)韓国の政府および国民の全体的意識について
・反日は韓国では「民主的な政治家」と見なされる必須条件である。
・韓国民の感情は、国民情緒(感情)の動き方次第で穏健であったり、強硬であっ
たりするだけである。
・韓国では民意とは事実上、国民情緒を意味し、「民意は天意」とするポピュリズム
が政治世界を支配している。この意味で、朴槿恵(パク・クネ)大統領は「民意
=国民情緒」に最も忠実に従ってきた大統領である。
・近年、反日がエスカレートしている理由の一つに、李政権の頃から社会が経済的、
社会的に不安定さが増してきたことがある。
・2013年アベノミックスが始動して以降、日本は経済的に息を吹き返し、(?)
一方で韓国経済が大きく揺らいだ。即ち、不況の時代であった、」これを韓国政府
は「アベノミックスが韓国を圧迫する」として日本に責任転嫁する主張をしてい
る。
・例えば、2015年11月21日には、朝鮮日報による主張を挙げる。
韓国の主要30企業中、営業利益を出しているのはサムスンと現代自動車のみで
ある。「そのサムソンでさえ、製品の在庫が史上最も多く、開発センターや各現場
の30%を解雇する見通しである。」と言う。これは国民の目を反らすため、「反
日・愛国」の姿勢を強めているのである。
以上の通り、韓国は結果的に、「政治、経済、社会、家族、個人間と国民の全ての面で
倫理が崩れてきている。これがこの国の最大の問題である。
著者・呉氏曰く、「この問題と真剣に取り組まない限り、韓国には未来はない。」
また、韓国社会で支配しているのは、「金が最高」という、拝金主義である。
・2002年以降:勤労者の賃金格差、財閥と中小企業間の格差、上下階層の格差が急速
に広がっている。即ち、社会の二極化が急速に深まっている。
・現在:拝金主義益々進み、「年長者を敬う精神」が失われ、老人と若者の自殺者増し
ている。この原因は明らかに、「貧困と利己主義」である。即ち、社会の連帯意識が
失せてきている。
(3)「日韓合意」が履行される可能性について
2015年12月28日:岸田外相と尹外相との合同記者会見で、慰安婦問題での「日韓合意」が成立した。その内容は以下の通りである。
1)日本の首相が慰安婦に対して「心からお詫びと反省の気持」を表明する。
2)韓国政府が元慰安婦の支援を目的とした財団を設立し、これに日本政府の予算で資金(10憶円)を一括で拠出し、両国政府が協力し「元慰安婦の方々の名誉と尊厳の回復、心の傷の癒しのための事業を行う。
3)在ソウル日本大使館前の慰安婦像の撤去について韓国政府は「適切に解決するよう努力する」
4)この合意に着実な実施を前提に、両国政府が慰安婦問題の最終的かつ不可逆的に解決されること」を確認する。
そして韓国側の受け止めは以下である。
①大手新聞や外交筋)概ね「合意」を歓迎した。
②韓国一般人:合意に強く反対する。
(4)慰安婦、強制連行等:「被害者ビジネス」がなぜ横行するのか?
――近年の「慰安婦」や「強制連行」に対する賠償問題について
1)戦前の徴用された韓国人(当時は日本人)が新日鉄住金や三菱重工などの日本企業を訴える。戦時徴用新法で韓国の裁判所が日本企業に賠償命令を下す判決が続いている。
判決では、1人当たり1千万円の賠償金を要求:これが続出している。被害者ビジネスが展開している。
2)慰安婦問題は金で解決できない問題である。
2015年安部内閣が「3億円の示談金で解決する。」と発言。
韓国側:莫大な金額を日本政府に支払わせ、かつ「慰安婦問題に国が関与したこと」を認めさせたと言う事実を作ることを最大の目的にしている。
また、民間団体のアジア基金が金を出すことに反対している。「国の関与を認めさせること」が彼らにとって重要である。
9. 新たな日本のアジアとの外交政策:1本足打法から3本柱戦略へ(藪中案)
日本はこれまでの日米安保体制の「1本足打法」から日本の総合力としての心柱を中心とした日米同盟を基軸に、中国を含むアジアとの協力関係という「3本柱の時代」に来ている。
このためには、日本の外交力を発揮し、アジアの平和を作り出すリーダーの役割を果たすべき」である。