2020年 7月号 C項

ディベート&ディスカッション中心の英会話学校

2020年 8月号 C項

Communication: Topic and Outline
毎月行われているYYクラブのディスカッションの概要(英訳と日本語訳あり)

6月号から、本C項の前半は、最近書かれたシャロン・モアレム著「迷惑な進化」(病気の遺伝子はどこからきたのか)が評判の書でもあり、これを取り上げ紹介するこにします。ただし、この著書は約250ページの多大な著作なので、この中第5章「僕たちはウィルスに操られている」の章のみとします。即ち、ウィルス一般の紹介です。
はじめは、ウィルスについて広く紹介し、次に、新型ウォルスに絞って紹介することとします。いずれも下記「目次 I,II章」に従い、連載しますので、よろしくご高覧頂ければ幸いです。
目次
I.章: シャロン・モアレム著「迷惑な進化」(病気の遺伝子はどこからきたのか)よりの抜粋と当方のコメント
1. 人間を操る病原体
1.1 ウィルスの定義
1.2 人間の生活機能と体内微生物の関係
2.寄生生物はこうやって移動する
(1)トリソプラズマ。ゴンディ  (2)くしゃみの効果
(3)ギョゥ虫  (4)コレラ  (5)マラリア (6)トキソプラズマ
3.病源体を味方にするには

II章:武藤義和医師著「新型コロナウィルスのNOW」よりの内容ご紹介
こちらは長いため下記の目次に従い、毎月回数ページに分けてお送りします。
(1)「コロナウィルス」って何?
1)新型とやらは??  2)症状は何?  3)症状 4)かかるとどうなる?
(2)重症化って何が起こることなの?
1)重症化し易い人たちは?  2)小児は?
(3)CT画像って??
1)発症からの画像変化  2)軽症者・中等症者・重症者って?って
(4)検査方法は?
1)PCR法  2)PCR法でドライブ・スルーすればいいんじゃん
2)抗体検査をすれば感染がわかるじゃん!
3)じゃあ 結局検査はどうするの?  4)まだまだ根拠のない抗体検査ですが・・・
(5)感染対策は?? For医療者
1)全患者に対して   2)ちゃんと感染対策してた??
3)医療者の感染の報告  4)環境表面にはどの位、ウォルスは生きているの??

(6)で、どうすれば感染せずに済むの?
1)三密?   2)濃厚接触者って?  3)濃厚接触者の定義はなんで変えたの?
4)どこまでならしてもいいの??

(7)どういう人を見つけるべき??
1)軽症例には基本的にPCR検査を推奨しない。 2)家に居ろといわても?
(8)個人的に一番不安なこと
1)みんなコロナしか心配していない  2)もし、検査で確定したら治療方針は??
(9)治療薬の特性
1)レムデシベル  2)プラケニル  3)カレトラ  4)ナッフモスタ
5)アビガン  6)シクレソニド  7)アクテムラ
(10)治療の目標
I. 章 詳細情報(先月号より続く)
2.寄生生物はこうやって移動する
(1)トキソプラズマ・ゴンディ;
恒温動物のほぼ全てに感染する寄生虫であるが、猫の体内でしか「有性生殖」(種の保存)を行わない。即ち、これによって寄生している動物(この場合猫)の細胞内で自分自身の複製を作ることができる。

動物の体内に入ったトキソプラズマは血流に乗って動物の全身に行き渡り、筋肉細胞や脳細胞の中に潜り込む。人間にも同様であるが、人間の場合は害はない。ただし、世界の約半数の人口が感染していると言われる。従って、我々は知らないが、ずっと身近な存在である。
例えば、アメリカ人の20%。フランス人の90%が感染者であると言われる。フランス人が多いのは牛肉を生で食べる「タルタルステーキ」が好まれるためであると推定される。
猫の話の続きを説明する。感染した猫は胞子嚢を糞に混ぜて排出する。この胞子嚢は丈夫
に出来ており、過酷な環境下でも1年間生き延びることができる。トトキプラズマソは宿主であるネズミを少しばかり操作する。即ち、感染した猫の糞を食べたネズミに乗り移り、ネズミの筋肉細胞と脳細胞に入りこむ。脳に入ったトキソプラズマはネズミを色々な面で変えてしまう。先ずはネズミを太らせ、動きを鈍くさせる。次に、猫を恐れなくする。いくつかの実験で見られるのは、感染したねずみは猫が排尿した場所を避けなくなり、マーキングした場所の匂いに引き寄せられる。これで確実に猫の餌となる。
この様にトキソプラズマのライフサイクルをまとめると、猫の体内で有性生殖を行い猫の糞に混ぜて子孫を外に出す。それをネズミがその糞を食べて、そのネズミを猫が食べたところでサイクルは一巡することになる。

(2)くしゃみの効果
普通、くしゃみは鼻から入った異物をそれ以上奥に入れない様、はじき出す様にための生来備わった防御機能である。しかし、風邪を引いた時は、別である。風邪を引いた時のくしゃみは上気道の粘膜細胞に既に入り込んでしまった風邪ウィルスはくしゃみ位では追い出せない。従って、別の意味がある。即ち、風邪のウィルスは人間のくしゃみ反射をどの様に引き出せるか学習し、それを利用してウィルスを感染した人の家族にまで広めようとしているのである。即ち、風邪を引いた時のくしゃみは感染した人を守るためではなく、ウィルスが次に宿主に乗り移るための手助けをさせるための宿主への操作なのだ。

(3)ギョウ虫
日本でも最近は少なくなったが、米国では子供の50%は今もってこれにかかっている
即ち子供がギョウチュウの宿主となっている。
ギョウチュウの成虫は体長が1cm弱で白い糸くずの様である。ギョウチュウは人の大腸の中で成長し、栄養を取り、交尾をする。夜になると妊娠したメスは大腸の出口(即ちお尻の穴)に移動して周辺の皮膚に卵を産み付ける。その時にかゆみ(アレルゲン)を生じさせる。このアレルゲンは人間にとって有害なものではない。人間にお尻を掻かせるためのものである。ギョウチュウにとって重要なのはその子供に尻を掻いてもらうことである。
ギョウチュウに感染した子供がお尻を掻くと、爪の間に卵を入り込ませる。その後は、あちこちに触ることで卵をまき散らす、他の子供がそこに触り、口にすることで別の子供に移動することとなる。

(4)コレラ
ギョウチュウよりもう少し巧妙な方法で、人間を操って、病原菌に有利な症状を引き起こしている病原体がいる。これがコレラである。コレラの子孫を広げるための戦略であるコレラは飲料水媒介型の感染症で、ひどい下痢を引き起こす。下痢が止まらず、脱水症状になって命を落とすこともある、恐ろしい病気である。この下痢はコレラに宿主操作さ れたけっかである。コレラが自分の移動手段のために下痢を起こさせている結果である。新しい宿主に乗り移るため、今の宿主から脱け出し、新しい宿主へ行くため、別の水源に移るため、下痢を起こさせているのである。これにより、別の水源に流れ込むこととしている。

(5)マラリア
マラリアの場合は人間を動けなくすると言う方法である。即ち、マラリアにかかった人は、高熱と悪寒を繰り返し、激しく衰弱する。ベットで寝たまま、蚊に刺されたまま、どうにもならない状態にする。このため、蚊は感染者の血を吸い、マラリア原虫を持ち帰る。そして、別の人に移す。

(6)トキソプラズマ
トキソプラズマは猫から猫の飼主(人間)に感染した時、統合失調症を引き起こす可能性があることが分かった。しかし、本件は意見が分かれており、引き続き研究結果を見る必要がある。また、子供には連鎖球菌感染などの関連性があると。の研究結果も出てきている
連鎖球菌の仲間は咽頭炎から「しょう紅熱」、細菌性肺炎、リウマチ熱など人間のさまざまな病気の原因になっている。

2.武藤義和先生のページ